成長ホルモン剤適正使用推進事業

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小児成長ホルモン治療適応判定

 プラダー・ウィリ症候群においては、2023年12月22日にGH製剤(ジェノトロピン®TC注用)の適応が「体組成異常及び骨端線閉鎖を伴わない低身長」に拡大されたことを受けて、成長科学協会では適応判定を新たな方法で実施します。基本的な考え方については、お知らせ「プラダー・ウィリ症候群に対するGH治療適応判定を希望される場合の適応拡大を踏まえた適応判定の実施について」(2024年7月9日)を参照して下さい
Ⅰ.新規治療の適応判定
 プラダー・ウィリ(Prader-Willi)症候群に対する、成長ホルモンによる適正な治療を実施していただくための参考として、成長科学協会では治療適応の判定をしております。ヒト成長ホルモンを使用されるにあたって適応判定を希望される場合は、下記の点にご留意の上、ヒト成長ホルモン治療適応判定依頼書(様式11a)に記入していただき、成長科学協会へご送付下さい。記入に当っては、治療開始時の適応基準をよくお読みの上ご記入下さい。体格に関わる欄は適応判定に利用しないことになりますが、貴重なデータとして利用されるので可能であれば記入をお願いします。

 なお、成長ホルモン適応判定依頼時に実名の記載ができない場合は、名前のローマ字表記の初めの2文字(「成長太郎さん」ならば「TA」)と医療機関の診療録番号を記載して下さい。これらの書類は、PDFファイルにしてメール添付にて送って下さっても結構です。

適応判定の結果は、文書でお知らせいたします。適応ありの場合は、登録番号を付けさせていただきます。
適応の判定は、適切な遺伝学的方法による確定診断と、禁忌等への非該当により行います。

【適応基準の判定に最小限必要な項目】
1.確定診断に用いた遺伝学的検査
 実施した遺伝学的検査を適応判定依頼書の選択項目から指定し、分析結果報告のコピーを添付して下さい。

2.重篤な呼吸器障害の有無
 重篤な呼吸器障害は禁忌とされています。添付文書には、「上気道閉塞がないことを確認すること」「本剤投与中に上気道閉塞の徴候(いびきの発現又は増加等も含む)を示した場合は、本剤の投与を中止すること」「睡眠時無呼吸の有無を確認し、睡眠時無呼吸が疑われる場合は観察を十分に行うこと」「呼吸器感染の徴候の有無を十分に観察し、感染症に対する適切な処置を行うこと」などと記載されているので、添付文書を確認下さい。主治医の判断で「重篤な呼吸器障害」の有無を記載して下さい。

3.高度な肥満の有無
 高度な肥満は禁忌とされています。添付文書には、「基本的治療である食事療法、運動療法を行ったうえで適応を考慮すること」と記載されています。また、日本小児内分泌学会の「GH治療実施上の注意」には、「体重コントロールが安定(少なくとも6か月間の安定)してからの治療開始が推奨される」とされています。これらを参考に、主治医の判断で禁忌に相当する「高度な肥満」の有無を記載して下さい。
Ⅱ.治療成績・中止・再開・転院報告
 治療成績報告書により、継続適応の判定を行い、適応ありの場合は新しい登録番号をつけます。この登録番号は、治療成績報告書の提出にともない、毎年更新されます。したがって、治療成績報告書が提出されないと登録が抹消されることになります。

1.継続して適応判定を希望される場合は、1年毎に、治療成績報告書(様式3a)を提出して下さい。

2.なんらかの理由で治療を一時中断し、治療を再開する場合でその後も適応判定を希望される場合は中断していた理由を記入し、中断前と中断中の身長・体重が分かるように記入した治療再開報告書(様式3a)を提出して下さい。また、治療を中止した場合は、その時点で治療中止報告書(様式3a)を提出して下さい。

3.転院した場合も、わかる限りの事項を記入して転院報告書(様式3a)を提出して下さい。

4.報告書を提出する際、成績・中止・再開・転院のいずれかに○をつけて下さい。
Ⅲ.判定に対する異議申し立て
 判定に不服がある場合には、異議申し立てが出来ます。その場合は、必ず地区委員にご相談の上、地区委員の賛同が得られました例のみ、異議申し立てをして下さい。

 治療適応があることを支持するその他のデータ(成長曲線の偏向など)を添付していただくと、判定委員会で検討される際に参考となることがあります。

◎判定依頼書・治療成績報告書のデータを、学問的な解析に用いることについての同意が得られた場合に限ってそれらの書類を提出して下さい。
(同意書:様式10)署名をいただいた同意書は、各施設で主治医が保管下さるようお願いします。